2025年、9月製作
2025年、12月完成

旭日の庭

森本大晴監督作品 (人間ドラマ)

理想ほど、残酷なものはない。

実家で病気の母を看病しながら小説を書く主人公、健一。担当編集者に自らの文学を否定され、小説の道に不安を抱えながらも、アルバイトを掛け持ちして生計を立てている。そんなある日、一つの偶然の出会いをきっかけに健一の執筆は加速する。しかし、同時に創作に没頭するほど母と向き合えなくなり、支えてきた日常は静かに崩れていく。

第3回澁谷インディペンデントフィルムフェスティバル2026のU22部門にて優秀作品選出

製作のきっかけ・着想

ある理想を掲げながらも厳しい現実との狭間で生きている人が我々は見えていないだけでこの社会にはたくさんいるのではないかと考えたのが本作の出発点です。夢を追うことは希望である一方、誰かを傷つけてしまう残酷さも孕んでいます。その2つの感情がぶつかる瞬間、葛藤を描くことを目標に制作しました。

意気込みやメッセージ

本作は、人物が抱える理想と現実という2つのギャップを葛藤しながら、答えは自分しか解決できない孤独を描いています。また、「なぜ自分がこんな思いをしなければならないのか」、この感情に希望を呈しながらも真正面から向き合っています。
長回しのショットや普遍的なカットは人物の欲求とは対照的に、決して止まることのない現実を映し出すために採用しています。静かに流れるその時間は確かに健一が生きた証であり、その空気を丁寧に積み重ねることで、その葛藤を観客自身のものとして受け止められる作品を追求しました。

影響を受けた監督・作品・アーティストなど

藤井道人監督、入江悠監督、アリ・アスター監督、アルフレッド・ヒッチコック監督 『大人は判ってくれない』『パッション』『お早よう』『ミッドサマー』『市子』

映画作りでこだわっていること

テーマの核となる部分に必ず自身の過去の経験要素を取り入れています。そのときの感情や葛藤を脚本の出発点とし、逆算的に物語を構成していきます。また、答えを出さない演出も心がけています。観客が見てくれてこそ、考えてくれてこその映画です。ただ見るのではなく自身に落とし込んでほしい思いから、できるだけセリフや構造に二重の意味を持たせています。

現在注目している監督・アーティスト

古川葵監督、秋葉恋監督

監督プロフィール

2005年生まれ、奈良県出身。
東京造形大学映画映像専攻 在学中。
2023年、なら国際映画祭 for Youth 2023より映像制作をはじめ、現在までに4本の自主映画を脚本・監督として制作。
自身の過去の経験からインスパイアを受け、映像ならではの表現を模索しながら作品制作を続けている。
本作『旭日の庭』では、澁谷インディペンデントフィルムフェスティバル2026にてU22部門優秀作品に選出。